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プライベートバンカー・ウエルスマネジメント・ファミリーオフィス・エステートプランニング・資産税の専門家を目指すブログ-TaxAccounting&Financial Planning

忘れていませんか、所得拡大促進税制

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昨年の税制改正で始まった所得拡大促進税制ですが、今年の税制改正でさらに使い勝手がよくなっています。

 

26年4月1日より前に終了するかどうかで微妙に要件が違いますが、次のようになります。

 

<平成26年4月1日より前に終了する事業年度について、適用する場合>

 

【要件1】雇用者給与等支給増加額の基準雇用者給与等支給額に対する割合が5%以上であること

【要件2】雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額以上であること

【要件3】平均給与等支給額が比較平均給与等支給額以上であること

 

<平成26年4月1日以降に終了する事業年度について、適用する場合>

【要件1】雇用者給与等支給増加額の基準雇用者給与等支給額に対する割合が、

・平成27年4月1日より前に開始する事業年度については2%

・同日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度については3%

・平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度については5%以上 であること

【要件2】雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額以上であること

【要件③】平均給与等支給額が比較平均給与等支給額を超えること(計算方法も変更)

 

細かい要件はありますが、今期については給与が前期よりも2%以上増加していることと、1人当たりの平均の給与支給額(雇用保険適用者)も増えていることが条件になります。

 

※詳しくは経済産業省のHPをご覧ください。

 

http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/syotokukakudaisokushin/syotokukakudai-QA.htm

 

ここで問題になるのは、給与が要件に該当するように増えてさえいれば適用できるということです。

 

要件は単純だし、当てはまる会社は結構あるのではないかと思います。

 

自社の決算書を前期と比較してみてみましょう。もしかしら該当しているかも?

 

該当していれば適用できるというのは、逆にいうと会計事務所にとってはやらないといけないということになります。

 

お客様が言ってくれなかったから…というのはなかなか通用しません。

 

善管注意義務というのがありますので、専門家として当然に要件を判定してお客様に伝えるべきでしょう。

 

実務では、実はこういったものが一番神経を使います。

 

有利な制度があるにも関わらず適用しなかった責任は誰にあるのか?

 

専門家とお客様との間に「情報の非対称性」があると言われます。

 

それこそが専門家が専門家であるたる所以ですし、インターネットが発達した今日ではそこの線引きが非常に難しくなってきています。

 

役員のみの会社なら問題ないのですが、社員や職員を雇用している会社や個人についてはしばらくこの制度の要件をチェックするという習慣をつけて申告書の作成が必要になりそうです。

 

さらにいうと実はこの制度、3月決算法人については結構複雑な経過措置があります。

 

連結納税になるとさらに複雑になるようですが、僕には理解不能でしたしょぼん

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