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プライベートバンカー・ウエルスマネジメント・ファミリーオフィス・エステートプランニング・資産税の専門家を目指すブログ-TaxAccounting&Financial Planning

平等は公平でもなく、正義でもない

正義とは何でしょう?

先日、リーガルハイの再放送を見ていました。

政治家のスキャンダルが元ネタですが、クリーンであることや公正であることは必ずしも正しい結果につながらないというようなシーンがありました。

思えば、会社経営だって平等や公平なんてありえません。

社長はワンマンのほうがいいかもしれないし、公務員でもない限り、できる社員とだめな社員は差をつけないとモチベーションが上がらないし、頑張っている社員から退職して会社がダメ社員しかのこらないこともありません。

所詮は弱肉強食であるし、プロの世界であれば勝ち組と負け組の競争原理が働くのが健全な社会なのです。

それでは家族の中ではどうでしょう?

1長男は、子供のころから優秀で一流大学、一流企業で出世レースをひた走っています。

2二男は、性格はいいけどおっとりした性格で地元の市役所で地道に働いています。

3三男は、昔はやんちゃして親にも迷惑をかけたけど、中学を卒業してから実家の工務店を手伝って、今は夜間の高校に通いながら建築士の勉強も始めています。

あくまでもフィクションですが、親にとってはどの子供が一番かわいいのでしょう?

いやいやかわいい、かわいくないではなく財産を誰に残すのが正解なのでしょう?

僕が意見を求められたらどのように考えるか?

難しい問題ですが三男推しで考えると思います。

理由の第一は家業を継ぐ、後継者であるという点です。

後継者である以上は、事業用財産や自社株等の事業承継を第一に考えるというのが税理士の性なのです。

そして仕事の安定性です。

仕事や収入が安定している長男、次男に比べて収入が安定していません。中卒であればなおさらつぶしがきかないかもしれません。

意識しているかどうかにかかわらず、家族にはその家族の考える教育方針というのがあるようです。教育方針と考えると子供の頃だけの話のようですが、実際には何歳になっても親にとっては子供はコドモです。教育方針がずっと続きます。

子供には平等に教育を受けるチャンスを与えて、ひいきなどせずに全員同じに扱う…そんな方針の家族が結構多いのが日本だと思います。

長男は勉強ができるから寺子屋で勉強だけをやらせる、次男は商売っ気があるから子供のころから丁稚奉公に…なんていうのは現代日本ではありえない光景です。

でも、相続対策の現場でこういったことを始められると先に進めません。

事業で不可欠の工場や事務所の土地建物、自社株を平等に分ける、換価して分配するなんてありえないのです。

愛情は平等でも、財産は平等にはわけられません。

子供にはそれぞれ家族があり、仕事があり、生活があります。

双子であっても年をとれば環境によって性格も容姿も変わってくるかもしれません。

公平ではなく、適切に分けることが大事。

そして財産を適切に分ける方法を決めることができるのは親の目だけなのかもしれません。

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