国税庁や国税局のホームページでは、報道発表資料ということで相続税の調査実績について公表しています。
平成21年12月発表資料によると相続税の調査実績の件数は14110件、このうち申告漏れ等があった件数は12008件となっており、税務調査が実施された場合は約85%の申告についてなんらかの修正が必要となったことになります。
相続財産としては不動産の割合が高いといわれますが、税務調査での指摘事項としては現金、預貯金が最も多く、続いて有価証券となっており、これらの合計で50%を超えます。
つまり、不動産よりも金融資産に対する申告漏れを指摘されるケースが多いということになります。
特に、家族名義とした預金や有価証券などのいわゆる名義財産の申告漏れが指摘されるケースが多いようですし、調査側もこれらの調査を重点的に行っていると思われます。
最近、当社では、相続税の申告にあたって名義財産についての確認を各相続人の方にお願いしております。
相続人の中には名義財産が相続財産の一部であるという意識のないまま申告漏れとなるリスクを負うこともあります。
このような税務リスクを防止するという趣旨もあって行っていますが、我々側のリスクヘッジという面もあります。
何も説明しないで税務調査で指摘されるとさすがにまずいので、申告前に一筆いただくという形になります。