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公的年金制度(その2)

1.老齢厚生年金 

 老齢年金制度については、年金支給が全世代65歳開始となるまでの経過的な措置としての「特別支給の老齢厚生年金」の理解がポイントとなります。

●種類(だれがもらえる?)

 65歳までと65歳からの二種類の年金に区分して理解します。

‐65歳まで‐

〈特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分(+定額部分))〉

…S16.4.2以降生まれの人から段階的に引き下げられ、S36.4.2以降生まれの人は支給されない。

※女性は男性に5年、生年月日を遅れて判定(以下も同じ)。

 老齢基礎年金の受給資格のある人で、厚生年金の被保険者期間が1年以上であること。

‐65歳から‐

〈老齢厚生年金〉

…老齢基礎年金の受給資格のある人で、厚生年金の被保険者期間が1ヶ月以上であること。

●いつから、いくらもらえるの?

‐65歳まで‐

〈特別支給の老齢厚生年金〉

・いつから=支給開始年齢(生年月日により異なる)から65歳まで

・いくら=報酬比例部分+定額部分+(加給年金)

※定額部分が支給されるのは、S16.4.2~24.4.1以前に生まれた人で、それ以降に生まれた人には原則支給されない。

‐65歳から‐

〈老齢厚生年金〉

・いつから=65歳以上で受給要件に該当してから終身

・いくら=報酬比例部分+加給年金+(老齢基礎年金)

●年金額の計算

・報酬比例部分(老齢厚生年金部分)

=平均標準報酬月額×生年月日に応じた係数×加入月数×物価スライド

※具体的な計算は総報酬制の実施前後で異なります。

・定額部分

=定額単価×生年月日に応じた率×加入期間(上限420~480ヶ月)

×物価スライド

・加給年金

=厚生年金被保険者期間が原則20年以上

 +生計を維持されている65歳未満の配偶者又は18歳未満の子がある

 場合に支給される一種の扶養手当。

・振替加算

=配偶者が65歳に達して加給年金が停止した場合に配偶者の老齢基礎年金

への加算として振り替えられる。

 加算額は配偶者の生年月日により異なる。

●在職老齢年金

・だれが…60歳以上で会社勤めをしている人が保険料を支払いつつ、年金をもらうもの。60歳代前半と後半とで取り扱いが異なり、年金を受給しながら個人事業を行う場合には関係がない。

※平成19年4月1日からは昭和12年4月2日以降にお生まれの方については、70歳以降も対象となります。

・60歳代前半

 …年金月額+給与=28万円以下 → 年金の全額を支給

  年金月額+給与=28万円超  → 一定額が支給停止

・60歳代後半

 …年金月額+給与=48万円以下 → 年金の全額を支給

  年金月額+給与=48万円超  → 一定額が支給停止

●裁定請求手続き

・年金を受けるためには年金を請求しなければならない。

・時効は5年。

(ただし、年金時効特例法で支給を受ける可能性がある)

〈手続き先〉

・第一号被保険者期間のみ→住所地の市区町村役場

・複数制度、最後が第一号又は第三号→住所地の社会保険事務所

・厚生年金のみ又は最終→最終の勤め先を管轄する社会保険事務所

・共済組合のみ又は最終→共済組合

●給付

・支給事由が生じた月の翌月から始まり、権利消滅月で終わる。

・支給は偶数月に前月分前々月分とが二か月分後払いされる。

・現況届…毎年、誕生月の月末までに社会保険庁へ提出。提出しないと一時差し止めと受ける。

公的年金と税金…雑所得として所得税と住民税が課税される。

 雑所得=(収入金額-公的年金等控除額)

・特別支給の老齢厚生年金と雇用保険給付とは併給調整を受けることがある。

●老齢厚生年金の繰下げ支給制度

 65歳から老齢厚生年金を受けることができる方が、65歳からは受け取らずに、66歳以降に支給の繰下げの申出をした場合は、そのときから増額された老齢厚生年金を受けることができます。

●離婚時の厚生年金の分割制度

 平成19年4月1日以後に離婚された場合に、その婚姻期間中の厚生年金の保険料納付記録を、当事者間で合意した割合に基づき分割することができる制度です。

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