1.遺産分割協議書
遺産分割協議の結果として遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書に決まったルールはありません。
ただし、遺産分割協議書は不動産の相続登記などで必要となるため、印鑑登録済の実印を用いるなど少なくとも遺産の相続登記が可能な様式で行う必要があります。
また、将来の紛争防止のためや、相続税の申告書にも添付するため、一定の注意点にしたがって記載することが必要となります。
節税の意味からも、相続税の配偶者控除などが可能となるような記述も必要です。
◆遺産分割協議書作成の注意点と記載内容
【被相続人に関する情報】
・氏名、本籍、最期の住所、生年月日、死亡年月日等を戸籍謄本や住民票の通りに記載する。
【相続人に関する情報】
・氏名、本籍、住所、生年月日等を戸籍謄本や住民票の通りに記載し、遺産を相続しない相続人(相続放棄の手続きを行っている者を除く)についても全員記載する。
・本人が署名し、印鑑登録された実印で押印しなければならない。
【財産に関する情報】
・不動産については、相続登記のため登記簿謄本の通りに記載する。
・預金については、金融機関及び支店名、預金の種類、口座番号、口座名義
【後日、新たに遺産が見つかった場合の対処方法】
・分割協議の後に新たに遺産が見つかった場合に、誰か一人が相続するのか、もしくは別途その財産について協議を行うかどうかを記載します。
・配偶者控除が適用可能であれば、税金の負担を考慮して配偶者がもらうこととして記載することも多い。
2.相続人の中に、未成年者がいる場合
相続人のなかに未成年者がいる場合には法定代理人である親権者と利益が相反するため特別代理人の選任が必要となります。
3.遺産分割が整わない場合
遺産分割にあたって、その協議が整わない場合には家庭裁判所に分割の申し立てを行うことになります。家庭裁判所の処置には調停と審判があります。まず、調停を受け、調停がまとまらない場合には審判を受けることになります。