遺言には法的な効力はないものの、財産を特定の人に引き継がせる理由や葬式の方法などを加えることができます。
これを付言事項といいます。
付言事項には法的な効力はありませんが、遺された家族へのメッセージとしての効果があります。
相続対策として必ず登場する遺言ですが、「死後の家族の遺産争いを防止するために遺言を書いておけば安心。これでいつでも死ねます!」なんて言う人もいます。
その遺言、本当に大丈夫でしょうか???
遺言があったばっかりに逆に相続争いに油を注ぐことに…なんてこともありますよ。
遺言を書いたときの意識はしっかりしていたのか?
同居していた長男にうまくいわれて書かされたのではないの?
なんて他の兄弟の疑心暗鬼を招くことになったりしたらまとまるものもまとまらなくなってしまいます。
そんなときに必要なのが、「やさしさ」という名前のスパイス。
なんといっても遺言は家族に対する最後の手紙なのだから、
ただ事務的に●●と○○は長男に、××と▲▲は長女に…なんて書いただけでは気持ちが伝わるとは到底思えません。
それよりも、
長年連れ添った妻には「感謝の気持ち」を
子供たちは自分の死後の家族を自分に変わって守って欲しいという「愛情」を一言添えてみてはどうでしょうか?
どうしてそんな遺言を遺したのか、これからどうして欲しいのか。
そんな想いを遺言という手紙に込めて、家族に遺しましょう!
財産よりも気持ちを遺す、それが本当の遺言ではないでしょうか?
【参考 エンディングノートの利用】
自分に万が一のことが起こった時のために、自分の生い立ちや、もしもの時の医療・介護・葬儀の希望、家族へのメッセージなどを書き残すことを目的としたノートのことを「エンディングノート」言います。
「エンディングノート」を書いておくと、自分の死後、あるいは意識不明となるような発病などの際に、役に立ちます。
直接、伝えにくい事柄も、ノート形式で記録しておくことで、確実に伝えることができます。
遺言という形ではなくとも、家族への想いを伝えたり、自分史を残す意味でエンディングノートを活用してみてはどうでしょうか?
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