1.各人ごとの算出税額の計算
各人の実際取得課税価格の相続割合(按分割合)に応じて按分し、各人ごとの算出税額を計算します。
「相続税の総額×各人の課税価格÷課税価格の合計額-税額控除額」
2.相続税額の2割加算
相続又は遺贈により財産を取得した者が次の者以外の場合には、その者の相続税額は通常の相続税額の2割の額を加算された額となります。
但し、加算した後の税額がその者の課税価格の70%を超えるときは70%の額が限度となります。
●2割加算の対象とならない者
…配偶者、被相続人の一親等の親族(代襲相続人を含む)
※平成15年の税制改正により被相続人の孫である養子は2割加算の対象となりました。
3.税額控除
・贈与税額控除
相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から財産の贈与を受けている場合が対象。
その贈与にかかる贈与税額を、その者の算出税額から控除する(二重課税にならないように)。
相続開始年の贈与については、贈与税の対象ではなく相続税が課税される。(相続により財産を取得する場合)
・配偶者の税額軽減
配偶者が 法定相続分相当額か1億6,000万円のどちらか多い額までの財産を相続や遺贈により取得したときは、配偶者控除により配偶者に相続税はかからないことになります。
◆税額軽減額
=相続税の総額×〔(イ)全員の課税価格の合計額に配偶者の相続分を乗じて計算した金額相当額(1億6,000万円の法が大きい場合には1億6,000万円)と、(ロ)配偶者の課税価格(実際取得財産分に限る)…(イ)と(ロ)のいずれか少ない金額〕÷ 全員の課税価格の合計額
※仮装又は隠蔽した事実に基づく財産については、対象となりません。
※この税額控除は、申告期限までに分割がなされていなければ、原則として適用されない。
(但し、申告期限から3年以内の分割の場合は対象となる。)
※税額控除した結果、税額が0になった場合でも申告は必要とされる。
・未成年者控除
相続人(養子を含む)が未成年者の場合には20歳に達するまでの年数に6万円をかけた額を控除します。
・障害者控除
相続人が障害者の場合には70歳に達するまでの年数に6万円(重度の場合には12万円)をかけた額を控除します。
※未成年者控除及び障害者控除で本人から引ききれない控除額がある場合には、その扶養義務者から控除できる。
・相次相続控除
被相続人の死亡前10年以内に開始した相続(1次相続)において相続財産を取得をし、相続税額を支払っている場合。
その1次相続時の税額のうち一定額を2次相続において控除できます。
短い間に連続して相続が起こった場合に相続税の負担を和らげる効果があります。
・外国税額控除
相続又は遺贈により外国の財産を取得した場合で、その外国の相続税に相当する税が課されている場合。
その税額相当額は相続税額から控除できます。
これにより、外国の相続税と日本の相続税の二重課税を回避できます。